KIRYU ALOHAの想い

誇りを纏い、自分に還る

「この街には、何もない」 そう言って故郷を飛び出したあの日、私は自分自身の根っこさえも否定していたのかもしれません。

異国の地で不意に問われた、「君は何者で、どんな文化の中で育ったのか」という言葉。 答えに詰まり、沈黙が流れたあの瞬間に感じたのは、アイデンティティを喪失した者の心細さでした。

失われた自分を取り戻すために、私は再び、織都・桐生の地に立ちました。 そこで再会したのは、かつて世界を圧倒した職人たちが、その命を削って織り上げた「至宝」――昭和初期のヴィンテージ着物でした。

私は、こう考えています。 **「文化には、二つの死がある」**と。

一度目の死は、それが日々の暮らしの中で使われなくなったとき。 二度目の死は、人々の記憶から完全に消え去ってしまったとき。

今、日本の着物文化は、一度目の死を迎えようとしています。 だからこそ、私はそれを「アロハシャツ」という新たな姿へ昇華させ、日常へと呼び戻したい。 使い続けることで一度目の死を拒み、その美しさを現代に刻むことで二度目の死を阻む。 それが、KIRYU ALOHAに込めた私の祈りです。

私たちが守るのは、絶対的な「一期一会」です。

何万という反物の中に、同じものは一つとして存在しません。 たとえ二着分が仕立てられる生地であっても、私たちは決して二着目を売りません。 残りの一着は、ブランドのアーカイブとして永久に保管する。 あなたが手にする一着が、世界で唯一無二の物語であることを保証するために。

一針一針に魂を込めた、かつての職人たちの矜持。 そのバトンを現代の職人が受け継ぎ、裁断から縫製、ボタン付けに至るまで、一切の妥協なく仕立て上げます。

このシャツに袖を通すことは、単に服を纏うことではありません。 「自分はどこから来たのか」という問いへの、静かな、けれど確かな答えを纏うこと。

織都・桐生から、世界へ。 あなたのアイデンティティを再発見する旅が、ここから始まります。